吉田松陰の教え MACNEWS5月号

富山県高岡市福岡町の道徳塾です。

当塾が加盟している育脳寺子屋
『MAC NEWS』という情報誌を
毎月発行しています。

毎号、子育てのヒント満載ですので、
ぜひお読みください。

2020年5月号が届きましたので、紹介しますね。

幕末の天才思想家、吉田松陰の教え
~育脳寺子屋の思いと重なる言葉の数々~

吉田松陰画像.png

鎖国の真っただ中の日本。
そんなある日、日本に転機が訪れます。
1853年、ペリーの黒船来航です。

ペリーは圧倒的技術力の差を見せ開国させよう
と、日本に向け威嚇発射で大砲を三発撃ち込み
ます。

「刀で大砲に勝てるわけが無い・・」と沈黙し
きっていた江戸幕府の中、西洋を追い抜いてや
ろうと意気込んでいる1人の若者がいました。

その人の名は吉田松陰、25歳。

はじめは西洋の倒し方を必死で考えていた松陰
でしたが、今のままでは我々はとうてい勝てな
いという結論に至ります。そこで松陰は発想を
変えます。

いくら敵意を燃やしたって、日本を守ることができないのであれば、むしろ外国のやり方を学んだ方がいい!


鎖国中に海外渡航などすればもちろん死刑にな
ります。しかし、松陰はそんなことは気にしま
せんでした。

翌年再び黒船がやってきた時、松陰は小舟を盗
み荒波の中を漕ぎ出していき、そのまま黒船の
甲板に乗り込み「学ばせてくれ!!」と頼んだ
のでした。しかし密航で捕まった松陰は、牢獄
の中に入れられてしまいます。(しかし松陰の
この覚悟と行動力が、後に明治維新という大き
な波を生むこととなるのです)

松陰は仮釈放された後、松下村という小さな村
で塾を始めました。

下級武士のこどもが集まる小さな塾に教科書は
無く、まともな校舎もありませんでした。そこ
で教科書は夜を徹して弟子と一緒に書き写し、
校舎も弟子たちと手作りで10畳と8畳の最低限
のものを作りました。

これが後に伝説となる「松下村塾」です。

松下村塾はのちに、高杉晋作伊藤博文(初代
総理)、山縣有朋(第3・9第総理)、品川弥二
(内務大臣)、山田顕義(國學院大學と日本
大学の創設者)など、結果的に総理大臣2名、
国務大臣7名、大学の創設者2名というとてつも
ない数のエリートを世に送り込んだのです。

松陰はなぜこんな教育ができたのか?
彼はこう語りました。
いかに生きるかという志さえ立たせることができれば、
人生そのものが学問に変わり、あとは生徒が勝手に学んでくれる

松陰はその行動力や向こう見ずな性格が災い
し、30歳で短い生涯を終えることとなります
が、松下村塾の弟子たちや彼の意思を継いだ
武士たちが史上最大の改革である明治維新を
おこし、今に至る豊かな近代国家を造り上げ
たのです。
教育は知識だけを伝えても
意味は無い

今の時代に言われているようなことを、彼はす
でに幕末の頃に唱えていました。とてつもない
数のエリートを育てた松陰が、知識を伝えるよ
り大切にしたこと、また彼の残した言葉とは果
たしてどのようなものだったのでしょうか。

そこには育脳寺子屋の思いと重なる部分が大い
にありました。

やり切るまで手を離すな
たいていの人はまだ序の口で、いよいよこれか
らが本番というときに、自分の田んぼを放置し
て、人の田んぼの雑草を取りたがるのです。
人の田んぼの雑草を取るというのなら、まだい
い方かもしれません。一番多いのは、人が懸命
に草を取っている姿を傍観して、その取り方が
いいとか悪いとか、批判ばっかりしている人で
す。


「隣の芝生は青く見える」ということわざが
ありますが、このことわざには、他人の良い
ところは目に入りやすい一方で、自分に目を
向けると嫌なところが目立つという人間の心
理が込められています。

これは人に対してだけではなく、
「物事」や「取り組み方」にも言えることです。

たいていの人はなかなか結果が出ないと、
「自分には向いていない」「やり方が悪いん
だ」と思い、他の人が取り組んでいることや、
他の人のやり方が良く思えてきます。そして
十分な努力をやり切る前に、取り組み内容や
方法を変えてしまうのです。

当然のことながら、
楽をして短期間で大きな結果を出せる 魔法
など存在しません。

結局新しく取り組んでもまた他のことが気に
なって、十分な努力をやり切る前に取り組み
内容ややり方を変える・・ということを繰り
返していると、満足な結果にたどり着く日は
永遠にやってこないのです。

恐らく何事も、やり方にはそこまでの大きな
差は無いのだと思いますし、他の人のうまく
いったやり方が自分にもうまくいく方法かど
うかは分かりません。結局はどれだけ腰を据
えて、覚悟をもってそのことに 取り組み続け
ることができるかどうか が大事なのだと思い
ます。(たとえ正しいやり方で取り組んでいて
も、結果が出るようになるまでは時間がかか
るものです)

人と比べるとどうしても正しい判断ができな
くなってしまうので、
あくまで比較対象は「過去の自分」
にするのが良いと思います。
この
やり方で失敗したから、次はこうしよう・・
と過去の自分に対して改善を繰り返していけ
ば、そのうち「自分にとって一番効率の良い
方法」を見つけ出すことができます。

この世の恩に報いる
昨日も食事をして、着られるものを着て、屋
根の下でやすらかに眠ることができたなら、
今まで自分の身に起こった出来事をひとつ思
い出し、心から感謝することです。

今は世界中が前例のない危機に陥っています。
子供たちも二か月以上学校に通えないという
状態で、このような時にはじめて「当たり前
は、ありがたいことなんだ」と気づいている
方も多いのではないでしょうか。

「当たり前はありがたい」ということは、こ
のように悪い状況に立たされた時や大切なも
のを失った時にしか感じにくいと思います。

特に今は物やサービスが溢れかえっている時
代なので、人の欲はとどまることを知りませ
ん。つまり基本的に「満足」はできないのです。

日ごろからこの気持ちを持って生活すること
ができれば、すなわち「足るを知る※」こと
ができれば、少しでも豊かな精神状態で人生
を送れるようになるのです。

※「足るを知る」
・・中国の思想家、老子の言葉。無いものや
不足しているものに注目するのではなく、足
りているもの、すでにあるものに注目すると
いう意味で、「既に十分満足であることを知
りましょう」と伝える言葉です。

流れを変えるのは自分の行動
幸運とか不運というものは、天から無差別に
降ってくるものではなく、すべて自分の方か
ら求めているものなのです。そのことを思い
出すことができれば、他人のせいにしたり、
組織の在り方に腹を立てたりすることなく
「自分の行動を変えよう」という発想に行き
着くことができるはずです。


誰しも今の自分を取り巻く環境や状況に対し
て、大なり小なり不満があると思います。し
かしそれに対し不平不満を口にしているだけ
では何ら解決には向かいません。

日頃子供たちを指導していて、伸びる子とそ
うでない子の差は「素直さ」が大きく関係し
ているように感じます。

例えばこちらが指導や注意をした際に
「はいっ!」と素直に返事をして、言われた
通りに行動できる子は、それが身に付きどん
どん成長できます。自分でも成長を感じるこ
とができるので、どんどん人のアドバイスに
耳を傾けるようになり、さらに成長を続けて
いきます。

逆にこちらが指導した際に素直な
「はいっ!」が言えなかったり、
「でもな~」「だってな~」と言い訳をして
いる子は、その時点で成長できるチャンスを
逃しています。

この素直さの差が積み重なることで、個人の
成長の差がどんどん大きくなります。

先日、面談である生徒が「学校の友達とうま
くいっていない」と相談をしてきました。聞
くと、友達や周りの環境に対してかなりの不
満があるようでした。そこで、

『確かにそれだと学校に行くの楽しくないな
ぁ。でも、文句を言うだけで解決することは
無いし、まず自分にできることは何かないか
考えてみない?結局周りの環境や人を変える
ことなんてできないから、まずは自分が変わ
る意識をしてみたら?意外と自分が原因を作
っていることがあるかもしれないよ。』

とアドバイスしたところ、
その生徒は素直に「はいっ!」と返事。
その結果、次の面談時には「最近学校が楽し
いです!」と言ってくれました。

親御さんに話を聞くと「今までは気に入らな
いことがあるとすぐに態度に出して、あまり
口をきかなかったようなのですが、あれ以降
は態度に気を付けて、解決に向けちゃんと友
達と話をするようになったそうです。そうす
ると、今までうまくいっていなかった友達と
の仲も良好になり、学校生活がスムーズにい
くようになったそうです。」

結局のところ、
人や環境を変えることはできないので、
自分を変えるしかないのです。

子どもたちにいちばん大切なのは
「はいっ!」の返事です。ご家庭でこの返事
がちゃんとできていないと、外でもできてい
ない可能性が高いのです。

家族間の会話はいい加減になってしまいがち
ですが、再度ご家庭でも返事の徹底をお願い
したいと思います。

すぐに育つものはない
「人を育てなさい」ということは、「一晩で
別人のように育てなさい」ということではあ
りません。思いやりと一貫性のある正しい態
度を、沐浴のようにじっくりと浴びせ、染み
ついていたものが自然と流れ落ちていくのを
待ちましょう。そして本人も気づかないうち
に、悪いものから遠ざかり、良いものへと移
っていく、その様子を近くで見守り続ける。
できることは、ただそれだけです。


テストの点数や通知表など、数字で表すこと
のできる能力を「認知能力」と言います。こ
の部分は一夜漬けや対策講座で、その子の実
際の能力以上の結果を出させることはさほど
難しくありません。(これまでの時代では、
この認知能力が重要視されてきました)

しかしこれからのAIが普及する誰も経験した
ことのない時代には、数字で表すことのでき
ない能力「非認知能力」が重要であると言われています。

この非認知能力は簡単に言えば人間として生
きていくための力であり、具体的には

『目標に向かって最後まで頑張る力』
・・忍耐力・自己抑制・目標への情熱など

『他の人とうまく関わる力』
・・社交性・敬意・思いやりなど

『感情をコントロールする力』
・・自尊心・楽観性・自信など

が挙げられます。ただ、これらの能力は一朝
一夕で身につくものではありません。それこ
そ数字で表すことができないので、親にとっ
ても子供の非認知能力がどれだけ成長してい
るのかが分かりにくいのです。

重要なのは
「すぐに結果を求めすぎないこと」です。

親や指導者がすぐの結果を求めると、子は地
道に目標に向かって最後まで頑張ることがで
きなくなります。今よりもその先を信じ、気
長に待つしかないのです。

そして、子供は口で言い聞かせても聞きませ
ん。結局は環境でしか育たないのです。ご家
庭やわれわれ指導者など、子供が接する大人
が上記の非認知能力を伸ばしてあげられるよ
うな心がけ、声掛けをいかにしてあげられる
かが重要だと考えています。

昔の偉人たちは結局、
目の付け所が一緒なんです

今回は吉田松陰についてまとめてみましたが、
長年MACに通われている方は「あれ、こんな
内容以前のMAC NEWSにも書いてなかっ
た?」

と感じられた方もいると思います。今日まと
めた内容は以前にも書いた内容と重なる部分
が数多くありました。結局のところ偉人と呼
ばれるほどの人は活躍する時代やフィールド
は違えど、目の付け所は一緒なんだと感じます。

最近入塾された方、以前のMAC NEWSを
見逃したという方は、ぜひこの自粛で時間が
ある時に一度見返してみてください。

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【参考資料:覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰(サンクチュアリ出版)】
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